1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 次へ HOME
今 この中に我らあり
                           明石魚住LC  橋本維久夫

LIONS CLUBとは、LはLiberty(自由を守り) IはIntelligence(知性を重んじ)O.N.SはOur Nation's 

Safety(我々の国の安全を図る)の頭文字から名付けられ、WE SEARVE(我々は奉仕する)のテーマ

のもと結成された国際的奉仕団体です。

 ライオンズのマークは”過去を誇りとし未来を信じ、奉仕の場を求め、あらゆる方向に目を向けるライオ

ン”を表しています。

 我が明石魚住LCは335-A地区(明石、神戸、西宮、芦屋、尼崎、宝塚、伊丹、川西、稲美、淡路全島、

三田市以北、の各市町)に属し、地区は100クラブで構成されています。つまり、阪神淡路大震災は33

5-A地区を襲い、地区内ほとんどが激震指定地区になってしまいました。もちろん我がクラブ員全員も、

家屋、事業所等に損害を受け、修復手配作業に奔走致しました。

 地震5日後、緊急理事会にて、当然ながらライオンズの誓い(我々は知性を高め、友愛と相互理解の

精神を養い、平和と自由を守り、社会奉仕に精進する)のもと救援活動につき討議、可決されました。

    ”今 何ができるのか” ”今 何が必要なのか”

 倒壊した家からの脱出、猛火に追われ、何一つ持ち出せず、着の身着のまま避難所へ逃げ込んだ人

々・・・・。

 救助の手も無く、充分な治療の手も無く、見殺し同然の姿で亡くなっていった肉親をもつ人々・・・・。

 飢え、寒さに打ち震える人々・・・・。  何をか言わんや!

 確かに、我々も被害を受けた。しかし、家族は無事、寝るところはある、水は出る、ガスも出る、電気も

来てる、メシも食える、仕事もある!理屈はいらない!

1月24日  3千食のうどん、機材一式、水4t、車を重ねていざ出発。

        「今行くぞ、待ってろよ」ハンドルを持つ手に思わず力が入る。

 マリスト国際学校  準備中より並ばれた人々の姿に、こみ上げるもの有り。

 西須磨小・・・・ 蓋なし変形した鍋、小さなタッパー持参する人多し。
           全壊した家が目に浮かぶ。

 北須磨小・・・・ 投光器に映る人々の影静か。発電機の音だけが寒空に響く。
           突然、給水活動中のL久寿米木よりпu子供が寒い腹減っ
           て泣いている!」と悲痛な叫び。スタッフ、機材を二分し急行。

 須磨区役所前公園・・多数のテント。長蛇の列。だし、湯が間にあわない
           北須磨より応援到着頼もし。23:30終了 全員言葉無し。
           避難住民30万人、うどん3千食、たったの1%・・・・
           被害の甚大さ、無力感にうちひしがれてしばし呆然。
           「焼け石に水」なのか・・・・・・
           「橋本さ〜ん、次はいつ行くんですか〜」の声に我に返る。

1月29日     多くの参加者が無力感を吹っ飛ばす。

 東須磨小    快晴、寒い。
           ハンドマイクにて周辺住宅に炊き出し案内する若者の声、
           力強くもあり、やさしくもあり。
           今回よりカレーライスを追加。炊飯、間に合わず。
           反省点多し、次回こそ。

 須磨区役所前公園 ・・夕刻よりますます冷え込む、またも長蛇の列。
           雪舞い散る中に湯気あったかし。
           うどん1500食、カレー1300食。 

2月5日      今回より大避難所へ、気を引き締めて出発。

 板宿小・・・・  3週間近くたっても避難者1500名。    
           給湯器一台、屋外用暖房機2台等設備強化。
           準備中より雨。ユニッククレーンのブームでテント作り。
           全て順調も、傘をさした人、人、人に圧倒される。
           休む間もなく作り続け、わずか四時間半。
           3200食すべてなくなる。無念・・・・・・。

2月11日 大田中、大黒小隣接した避難所へ。気合が入る。

 大田中・・・・  校門前、一帯焼け野原。校区全滅。子供たちは今・・・・・。
           「一人ひとつ!」とパニックを心配して避難者週番係。
           「心配ご無用 まかせなさい」 みんなの心がそう言わす。
           いつもながらの出前班、君たちには頭が下がる。

 須磨区役所前公園・・・通りすがりの神戸大3人娘「子供達にあげてくださ〜い」     
           みっつの紙袋に手作りチョコ 愛がいっぱい詰まってた。
           テント前の焚き火 こどもに「友達はだいじょうぶ?」
           「僕の友達、死んじゃった・・・」おもわず抱きしめる。

2月19日 親友の経営する企業より大応援部隊。我が友よ!

 兵庫高校・・・・ 国際色豊かU.S.A.ジョージア州のライオンズマンも参加
           L久寿米木の友人訪れ、我々の活動に大量の涙。

 須磨区役所前公園  またもやって来ました。ふれあいの場所。
           テント生活者よりコーヒーの差し入れ。胸がつまる。
           うどんを食べてる幼き兄弟に「僕右手はどうしたん」
           弟曰く「お兄ちゃんの手な、地震で折れてクニャッと曲がってもてん」・・・・・・・・・。 

合計5回の炊き出しを実施させていただきましたが、この間多くの方々からはげましの言葉、、活動資

金、物資の提供を魚住LCにいただきました。

 そして、私はこの活動を通して、参加していただいた皆さんの”自分に出来ることがあれば少しでも被

災者の方々のお役に立ちたい”という「思いやり・友愛の心」に触れさせていただき、やさしさ」を見つけ、

感銘をうけました。

 毎回長時間にわたり一生懸命作業に携わっていただいた姿のなかに、「人のもつ心の豊かさ、やさし

さ」を見つけ、感激いたしました。

 回を重ねる度に心の輪が大きく広がり、お互いが前回の反省点を次回に生かし、被災者の方々のみ

ならず、仲間に対しても”気くばり・心遣い”をさりげなくされてる姿に、「人のふれあいのすばらしさ」を実

感し、感動いたしました。

 心の輪に支えられ出来上がった、我が魚住LCの「団結力、機動力、設備力」のすばらしさに、感嘆い

たしました。

”今、この中に自分がいる”ということに感謝し、1日も早く避難されている方々に普通の生活が戻るこ

とを願います。

 今回のこの活動を通じ、私は多くの貴重な体験をさせていただき、多くの事を学ばせていただきました。

この事を今後の人生や奉仕活動に生かして行きたいと思います。

 初めての炊き出し終了後、我々魚住LCのメンバーは、見るも無残な現実と、我々の力の無さに打ちひ

しがれておりましたが

  「それでも、やらないかん!」

     「やろう!」 「続けよう!」

 この、勇気を奮い起こし、すばらしい機動力と、力強い行動力を与えてくれたのは、皆さんの大きな清

らかな奉仕の心にほかなりません。

 それと、我々が魚住に帰ってくるまで、看板の灯を消さずに待っていてくれた「割烹?吉平」の一杯の

熱燗も忘れず付け加えましょう。

 みなさん、本当にありがとうございました。

 これらは今後の魚住LCの奉仕活動の大きな、確かな指針となると確信致しております。

         WE SEARVE
1 2 3